スローシャッターでいつもと違う幻想的でオリジナルな写真を撮る為にはどうするかを解説してます。
こんにちはbashicoです。私と同じカメラ初心者の皆さんお元気ですか!今回はカメラの設定をスローシャッターにして、NDフィルター(レンズ用サングラスデス)を使ったりしていつもとちょっと違う写真を撮る為の解説です。
スローシャッターでどんな写真が撮れるのか
スローシャッター撮影は、いつもと違いカメラの設定をニコンならAモード(絞り優先)やMモード(マニュアルモード)にして撮影をします。どんな時に使うかというと、滝の写真で水を白くしたり、水面を鏡の様にしたり、天の川を撮ったり、屋形船や自動車のライトを光跡として撮影したりするときに使います。よく光跡を撮ると、レーザービームなんてSNSでは言ってますが、なんのこっちゃ?って感じですが。
光跡=レーザービーム、光芒=ウニとかね。
さて、人間の目では止まった状態というか、滝なら流れている状態しか見えませんよね、ビデオ撮影と同じですね。
それを止めてしまうというか、なんといえば良いのか、まっ写真で見て下さいね。
スローシャッターと通常シャッターの違いを写真で比べる。
同じ滝ですが全く違う表情になりますね、因みに、この仙ケ滝はパワースポットでして滝の水が落下する時にゆらゆら揺らいで落ちてくるという珍しい滝です。1枚目の写真で少し揺らいでいるのがわかりますね。
本来この滝は1枚目の写真が正解かもしれませんが、あえてスローシャッターで撮ると、水が止まったように、ミストの塊、濃い霧のように写りますよね。
この2枚目の写真はNDフィルター(レンズ用サングラス)をレンズに装着して、カメラにここは暗いですよって認識させると自動で(Aモード)シャッター速度を遅くして光を沢山取り入れようとします。
これでスローシャッターの設定は完了ですが、そう単純でもない所がスローシャッターの難しさと楽しさでもあります。
シャッター速度30秒で水面を鏡にしてみよう
本来この乙女の滝はこのあたりは流れが強くて、普通に撮ると小さな水しぶき等が写りますが、シャッター速度を30秒で撮影すると上のような写真になります。撮影した場所は川の中です、深さが60cm以上あるので三脚を目いっぱい伸ばして私は岩の上から撮影しました。
スローシャッターの難しい所は、特に滝の写真ですが、ただ長くシャッターを開けばよいという事ではないのです。
乙女の滝の写真の場合は、滝よりも流れの強い沢の流れを止めたかったので30秒にしました。一方で滝本体を30秒で撮影すると、仙ケ滝の様な1本で水が落下するような滝は10~15秒で良いと思いますが、普通の流れがある傾斜した滝や、水量が少ない滝の場合は1秒~2秒位がベストな設定になります。流れが少ない滝の場合20~30秒で撮影すると、水が岩に引っ付いたような写真になり、幻想的でも流れを感じる事もできない出来上がりになります。
その辺りを意識して、1~2秒程度と10秒以上を試し撮りしてみてくださいね。
ご参考までに、この写真はND32フィルターです、32というのはサングラスの濃さを表す数字です、ND4、8、16、32、64、128、512って言った感じで濃さが違うNDフィルターが販売されてます。
スローシャッター必須アイテム、NDフィルター
夜景は別として、日中の滝や、沢の流れをスローシャッターで撮る時はNDフィルター(レンズ用サングラス)が必要となります。
上記で暗さの種類があると書きましたが、数字が大きくなるほど濃くなります。
ND512を付けたら、カメラのファインダーを覗いても真っ暗です、AF-オートフォーカスも動きません。
まっND512は特殊なフィルターになりますが、それでも岩場の海岸等で使うとかなり幻想的な写真が撮れますよ。
NDフィルターですが、2枚重ねて使う事が出来ます。暗さはそれぞれのフィルターの数字を掛け算すればOKです。
ND16×ND32=ND512となります。ですから無理してND512(高価)を買わなくても重ねて使うという方法を試してイメージをつかんでから買っても良いかと思いますね。
私は未だに重ね使いしてます。
皆さんは交換レンズを何本かお持ちだと思いますが、レンズ用保護フィルターを付けてますよね、NDフィルターを使うときは保護フィルターを外してNDフィルターを装着します。
保護フィルターと重ねて付けると、保護フィルターが余計な光を反射したりして写真に影響が出ますので、必ず外してからNDフィルターをつけます。
また、乙女の滝の写真ですが、PLフィルター(光をコントロールする)を付けてNDフィルターを重ね付けすると、手前の水面の左側の反射を消して水中が写るような写真を撮ることができます。
この場合も極力、直接光、太陽光がレンズに入らないようにしないとおかしな乱反射が入る場合がありますので注意が必要です。
なぜNDフィルターが必要か
実はカメラで絞りの数値を大きくすればシャッター速度を遅くすることができますね。私のNIKON D850やNIKON Z7は常用ISO:64設定なので、滝に行ってもほとんどNDフィルター無しで数秒のシャッター速度を保てるのですが、実は絞りを絞り過ぎる、例えばf16とかですね、そうすると回折現象(絞りボケ)が発生して画像低下する恐れがあるんですね。
そんな訳でf8のままシャッター速度を遅くするためにNDフィルター(レンズ用サングラス)を使うんですね。
NIKON Z7には絞りボケ・回析現象対策の設定がありますが、極力その機能も使いながらカメラのフィルターワークと併用して使う事がベストだと思います。なんでもオートでできる今のデジタル一眼レフですが、きちんとカメラの設定を覚えたほうが良いかと思います。
昨今発売されたニコン-Nikon D780やニコン-Nikon Z7Ⅱは今までAモードではシャッター速度が30秒迄でしたが、Mモードで600秒迄設定できるようになったので濃いNDフィルターを使って幻想的な写真を撮ることができるようになりました。Aモードでは従来の30秒迄です。
これによってbulbモードにしてストップウォッチを使わなくても良い事になるので楽しみですね。
NDフィルターの選び方
NDフィルターは様々なものが販売されてますが、まず中国製メーカーの安いものは避けてくださいね。できればケンコー(製造は中国ですが・汗)、Marumi(マルミ)のNDフィルターがお勧めです。
暗さの選び方としては、
・ND4,ND8は、晴天の海岸で撮影する時等、または花火大会で花火撮影にはND4,ND8がとっても役に立ちます。総合で考えるとND8がお勧めです。
・ND16,ND32は、滝の撮影、海の岩場の波の撮影、湖等ですね、まずはND16ですね、予算があればND32も欲しいですね。
滝を撮る方は必ず撥水加工のNDフィルターを選んでください。撥水加工をしてあればフィルターに水滴が付いてもブロアーでひとっびです、そして撮影後のお手入れもブロアーとレンズクリーナーで綺麗に落ちますが、加工無しですと水垢が付いて放置すると取れなくなります。
結論として、ND8とND16(32)の最低2枚は欲しいですね。
レンズの口径でフィルターが使えないと悩む時は、アダプターが発売されてます、しかも1枚500円程度です。
ですので、お手持ちの一番口径が大きいレンズに合わせたサイズのNDフィルターを買いアダプターで他のレンズは対応します。
私は82mmで揃えてますが、良く使うレンズ、Carl Zeiss Otus 55mm f1.4が77mmなので、これだけ専用に揃えて、後はアダプターで対応してます。
NDフィルターにはハーフNDフィルターというものもあります、半分がサングラスで半分がクリアなフィルターです、これはどんな時に使うか、夕暮れ時の空を撮影する時ですね、例えばコスモス畑、ひまわり畑の夕暮れ撮影にはあるととっても綺麗な夕焼けと綺麗な花が撮影できます。
サングラスの部分を夕焼けに、クリアな部分をお花畑にって設定ですね。
丸型の通常フィルターと角形の板状フィルターがあります。
角型のフィルターは取付用のアダプターがありますが、超高価なんですね、合計で4~5万円しますのでパスですね、丸型は微妙ですね、ハーフですから丸型ですと狙った部分にNDフィルター効果を使うのが結構面倒くさいですね。
で、私は角形ND8フィルターを使ってますが、手持ちで使ってます。でもレンズにくっけて手持ちではないんですね、レンズから少しだけ話してシャッターにあわせてフリフリしてます。これでもちゃんとNDフィルターの効果がでるんです。
それ以外ですと、滝を撮りに行き、滝に陽があたり超光ってるときに使います。光ってる部分をモニターで見ながら、角形NDフィルターで光をさえぎってみます、それでOKなら、そこに合わせてフリフリします。
なんか訳がわからなくなってきましたね(汗、ふりふり~角形NDフィルター!
でも持っているとなにかと役に立つ、角形NDフィルターです。
スローシャッター撮影で画像を合成する、コンポジット
スローシャッターで30秒の写真を5枚とか10枚とか同じアングルで撮影をします。例えば隅田川で屋形船が残す光跡を撮影しますよね。でも所詮カメラ設定では30秒が最長ですので、複数枚撮影してコンポジット(合成)するんことができるんですね。
星系写真の方はよくこの手法で合成してますね。
どんな写真になるか、合計5分間の写真を見てください。
この写真はシャッター速度30秒で撮影した10枚の写真を合成してます。同じアングルですので綺麗に光跡だけ合成されます。この合成はAdobe Photoshopで写真を10枚レイヤーとして取り込んで、比較(明)で合成すると、光が無い所が合成されてゆきます、結果屋形船の光跡だけが描写されます。
このやり方は、当サイトでも解説してますが、GoogleでPhotoshop コンポジットで検索すると大先輩たちが沢山解説サイトを立ち上げてますので、興味がある方は、検索して見て下さね。Nikon-Capture NX-Dではできませんので!
スローシャッター撮影、必須アイテム、三脚とレリーズ
NDフィルターの他に絶対必要なのが三脚ですね。最近のミラーレス一眼レフは手振れ補正がついているので1秒程度なら手持ちでOKという方も多いみたいで、私には考えられませんが~そんなに手振れ補正を信じてませんので、でも三脚禁止の場所では大活躍な手振れ補正機能ですね。
さて、三脚はどう選ぶか、レンズにレンズ沼があるように、三脚にも三脚沼があると私は思います、っていうより、買う前から色々頭の中で考えてGoogleで検索して、色々な意見を読んでみて、結果頭の中は曇り空ってなります。
単純に考える事が大切、通常三脚は、持ち運びが楽な事、それなりに耐荷重があり丈夫な事、当然本体が軽い事。
この3つだけ考えればよいのです。
雲台(カメラと三脚を取り付けるモノ)も軽量って考えたら自由雲台がベストです、凄い雲台が沢山販売されてますが、良く見るとある撮影に特化した、その撮影に便利というものがほとんどで、オールマイティーに使える雲台は耐荷重だけ気にして普通の自由雲台がベストだと私は思います。
私も自由雲台がメイン、ツーウェイのGitzo雲台も買いましたが(高価、涙)使ってません。
使ってない理由は持ち運びです、ごつくて重いしって理由ですね。
一番考えてはいけない事は、将来超望遠レンズを買った時に、この三脚では大丈夫かって事です。結論がでなくなります。ですから最初に申し上げた通り、持ち運びが楽な事、それなりに耐荷重があり丈夫な事、当然本体が軽い事を重視して選んでくださいね。
予算がたっぷりある人は、黙ってGitzoの三脚を買ってください、決して後悔はしません。雲台合わせて最低15万円です。
リーズナブルで良いモノはマンフロット、ベルボンあたりです。2~3万円程度で耐荷重もあり運びやすく軽量な三脚が沢山あります。
私は三脚選びで失敗しました、Gitzo マウンテニア3型4段ロングを買いましたが、持ち運びが結構大変です、ごつくて重いし(カーボンですが)これもって山の中をって考えたら1時間程度で私は限界、ですのでGitzoトラベラー2型を買えば良かったと後悔してますよ。
軽量で、折りたたむとコンパクトなんですね。
レリーズってなに?ってなりますが、リモコンタイプと有線タイプがあります、有線タイプは1,000円から3,000円位、リモコンタイプは1万円前後ですね。
さて、レリーズって手動でシャッターを押す機械です、三脚にカメラを設置してもシャッターで手振れしちゃうんですね、ですからリモコンでカメラから手を放してシャッターを押すことができるレリーズが必要になります。
最近のデジタル一眼レフはスマホとアプリで連動しているのでいらないと思われがちですが、実はリモコンのレリーズにはシャッターをロックする機能が普通についてまして、スマホではこれできないんですね。
私のNIKON Z7はスロー連写機能(最低1秒に1枚撮影)でレリーズを使いシャッターロックすると、低速連写ができるのです、先ほど掲載した合成の写真を撮る時にとても便利なんです。ですので、リモコンレリーズは持っていたほうが絶対いいですよ。
有線タイプなら電池も不要ですからスマホみたいにバッテリー気にせず一日中使えますね。
スローシャッター撮影はいかがでしたか
滝は勿論、色々面白い事ができるんですよ、例えば人が沢山いる時にスローシャッターを使うと、人が消えたり、かすかに人が写ったりといった撮影ができます。交差点でスローシャッターを使うと、自動車が消えたり、半分だけ自動車で半分は光の跡みたいに撮影出来たりします。
アイデア次第で、今までと違った写真を撮ることができるので、是非スローシャッター撮影にチャレンジしてみてくださいね。