Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2は世界最高性能の標準レンズと言われてますね、一方AF-S Nikkor 58mm f/1.4Gは、銘玉ノクトニッコールの後継レンズとも言われている、やはり最高水準のレンズですね。
この2本、実勢価格では2倍以上の価格差があります、Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2が35万円位、AF-S Nikkor 58mm f/1.4Gが16.5万円位ですので、コスパまで考えると、断然、AF-S Nikkor 58mm f/1.4Gが有利ですが・・・
それでは、比較画像を掲載しますので、ご興味がある方はご覧になって見てくださいね。
Carl Zeiss OtusとNikkor、実写レビュー、比較
WB:プリセットホワイトバランス(ニコン、グレーカード利用)
(色温度は3800k程度です。)
マニュアルフォーカス、MODE:M(マニュアル)
フォーカスポイントは、中央やや右の「黄色い花」です。
リビングルームで照明は天井シーリング(LED)
以上の条件で、撮り比べをしました。
絞り解放、f1.4で撮影、比較。
画角において3mm長いAF-S Nikkor 58mm f/1.4Gのボケが凄くソフトでイイ感じでしょうかという方と、ボケが凄すぎるので少々と言う意見が分かれてしまう様な画像ではないでしょうか。ニコンの言うところの3Dハイファイ、ボケながらも被写体が浮き上がり、フォーカスポイントから徐々にボケてゆく感じが良く解りますね。
Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2のボケは、とても自然なボケ、ナチュラルなボケ方ではないでしょうか、解像度、コントラストも絞り解放ではOtusの方が実力が上のように感じます。
実際の自転車の色はアイボリー系のホワイトなので、ニッコールの方が、多少白すぎるように感じます。
絞りf2とf2.8で撮影、比較。
(画像クリックで拡大)
Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2 / f2.0 / SS:1/125
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AF-S Nikkor 58mm f/1.4G / f2.0 / SS:1-125
更にもう一段絞り、f2.8で撮影
(画像クリックで拡大)
Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2 / f2.8 ・SS:1/60
(画像クリックで拡大)
AF-S Nikkor 58mm f/1.4G / F2.8 / ss:1/60
拡大表示するとよく違いがわかります、依然解像度はOtusですね、ですが、ボケ方、色合いはf2.8になるともう好みの問題ですね、比較するというより「どちらがすきですか?」が正解ではないでしょうか。
依然、AF-S Nikkor 58mm f/1.4Gの自転車は色が白すぎてます。
コントラスト、特に影の部分や直接光が当たらない部分の解像度は、Otusが上ですね、私の好みではf1.4開放では、Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2が好きです。f2~f2.8では、贅沢に使い分けしたいと思います。
絞りf5.6で撮影、比較。
f5.6まで絞ると、鮮やかさの違いがぱっと見でわかりますね!
遠景を撮影した時の表現力は、AF-S Nikkor 58mm f/1.4Gはとても素晴らしいとの評価が高いのですが、この被写体ではCarl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2の方が上回っていると私は思います。
因みに、Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2は夜景(高層ビルからの夜景)の点光源の表現も素晴らしく、シャドウ部分の再現力も圧倒的な写りを見せます、空気感も感じるくらいです。
やはり、贅を尽くした作りのCarl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2の方が、数段上の性能だと確信します。
まとめ
価格も違いすぎるので、本来どちらを買うか比較するレンズではないと思います。
ですが、ニコン純正の標準レンズという位置づけがあるから、比較されてしまうのかもしれませんね
レンズ本体の価格差は開放で撮影した時のボケながらも解像度が高い所や、鏡筒の作り、贅沢三昧のレンズ等でしょうか
AF-S Nikkor 58mm f/1.4GはOtusに比べると、質感はうんと標準品で高級感はありません、同じNikkorレンズの単焦点レンズのf1.4シリーズの中でも最も標準品な質感です、そのぶん軽くて、機動力ということを考えると、これ以上の標準レンズはありません。唯一無二の標準レンズです。(f1.4レンズとして)
表現力も、AF-S Nikkor 58mm f/1.4Gはソフトで優しい絵だと思います、Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2も解像度だけではなく、それこそ写実派的絵画チックな表現や、優しい表現力豊かなレンズであると思います。
予算があるなら、Otusをお勧めしますが、他のレンズを利用して不満を感じたり、なんか違うな?といった疑問を持ってから購入してもこのレンズの感動は変わらなく経験できると思います。
一方で、AF-S Nikkor 58mm f/1.4Gは一言で言えは独特の世界観があります、それをクセという方も多いと感じます。
私自身、初めてAF-S Nikkor 58mm f/1.4Gを手にしたとき、うわぁ~ボケボケ!凄いボケるレンズ、そして立体感。
それが楽しくて嬉しくて、初めてポートレイトで使った時に我を忘れて、ほとんど開放で撮影しました。
その結果、膝上や、全身を入れたアングルでは、3Dハイファイ効果が綺麗にでるのですが、バストアップ等で少し近づくと、ピントを合わせた片目からボケが緩やかに始まり、もう一つの目がボケてるという写真を量産しました、もう少しだけ離れると、ボケテルがボケ始めるに変わるのですが、正直家で見直して、ショックを感じるような絵でした。
これがクセなんだと解ると、ボケが欲しいのに、いかにしてボケと戦うかとといった事に悩むのでした。
そんななか、出会ったのが、Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2です。
憧れも重なり、衝動買いしたのです。
私は結果良かったです、使い分けしてます、私なりに。
ご参考までに、AF-S Nikkor 58mm f/1.4Gの最大の欠点は、f値解放から2.8位で水面に映るキラキラを撮ると、そのまんまパープルフリンジ大量生産、日中の水面にホタルイカがいるみたいな状況になります。(汗
ニコンFマウントですと、様々な標準レンズが存在します。
Carl Zeissの様に超優れたレンズから、純正のf1.8・50mmのように、とっても価格が安いけど、性能も良いレンズですね。
Otusを頂点とすると、シグマのartレンズが同じ傾向のレンズ、Nikkorを頂点とすると、タムロンのf1.8・45mm(手振れ補正付き)が近いでしょうか。
高解像で自然なボケ、優しい画質でよくボケるレンズ、自分にはどちらが必要かで選択するとレンズの方向性が見えてくると思います。
因みに、私はAF-S Nikkor 58mm f/1.4Gを持っていながら、タムロンを購入して即売ってしまった事があります、それはタムロンが悪いレンズだったのではなく、単純にAF-S Nikkor 58mm f/1.4Gを買う前に買うレンズだったと思っております。
ボケの優しさはタムロンはとても素晴らしいですから、そして入門レンズでもありません、素晴らしいレンズです。
ですが、AF-S Nikkor 58mm f/1.4Gをすでに持っているので、私には必要なかったからです。(なんか衝動買いしてしまったのだ)
標準レンズは1本に限定しなくても良いと思います。
Carl Zeissはソニー用レンズ以外は、MFですから、MF撮影に慣れていない方は結構苦労して挫折するかもしれません。
私は、下手っピなカメラマンですが、年の功でMFカメラを子供の頃からいじっていたので、あまり抵抗がなく、Carl Zeissを購入しましたが、AFが主流のこの時代にあってMFのCarl Zeissのレンズは敷居がたかいかもしれませんね!
ピントリングを回してゆくと、画像が段々クッキリと迫ってくる感覚は、一度覚えると、AFと違った楽しい感覚を味わうことができます。
ピントに時間はかかりますが、感覚的に撮影する喜びもあじわえると思いますよ。